2010年5月13日木曜日

来週の株式相場 持ち合い解消売りで上値は重い、材料株相場を想定

 来週の東京株式市場は、金融機関からの持ち合い解消売りで上値の重い展開を想定する。日経平均の想定レンジは9900円?10400円程度。

 3メガバンクは、株価下落に伴う含み損の拡大で自己資本が目減りを防ぐべく、昨年4?12月に、貸借対照表に記載されている帳簿価格で前年同期の約2.5倍にあたる合計4千億円程度の株式を売却したという。

 
この動きはメガバンクのみならず、地銀なども年度末が接近している現在(1?3月期)は、一段と加速している公算が大きい。これが上値抑制要因として機能する見通し。

 一方、上値を積極的に追う材料は乏しい。国内の主力企業の3Q決算発表は一巡した。今年度の好調さは確認できたが、これは織り込み済みで、改めて相場全体を押し上げる材料とはならな AION
い。海外要因も、金融引き締めやソブリンリスクなど懸念要因が多く、不透明感の強い状況だ。

 だが、欧米の株式市場は概ね堅調に推移している。円相場も、対ドルでは円安期待が抱ける状況だ。なぜなら、18日のFRBの公定歩合引き上げにより、日米欧の中で、米国が金融危機での非常事態対応からの出口に最も近いとの見方が強まったからだ。

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 対ドルでの円高リスクが低下したことは日本の輸出関連にはポジティブに作用するだろう。このため、日経平均の下値も限定されるとみている。

 株価指数に方向感が出難い状況下、短期売買を好む投資家は、低位の材料株のディーリング売買に精を出す公算。東証一部上場銘柄のうち、貸借銘柄で、時価総額が1000億円以下、そして、売り残が積み上がり
信用倍率が低く、材料性があり、取り組み妙味ある銘柄の人気が高まるとみている。

 なお、主力株に関しては、上値では前述の国内金融法人からの持ち合い解消?益出し売りが出るだろうが、下値では、原油高を背景に欧州系証券経由でオイル?マネーの買いが入ることが予想される。

 このため、外部環境が激変しない限り、底堅い値動きが期待で
きよう。

 スケジュール的には、23日の12月ケース?シラー米住宅価格指数、2月コンファレンスボード消費者信頼感指数、24日のMBA住宅ローン申請指数、1月米新築住宅販売件数、トヨタの下院公聴会、25日のバーナンキFRB議長議会証言、1月米耐久材受注、新規失業保険申請件数、12月米住宅価格指数、26日の10?12月期米GDP改定値、2月シカゴ購買部協会
景気指数(PMI)、2月ミシガン大消費者態度指数、1月米中古住宅販売件数など、重要指標や証言などが目白押しだ。

 これらの指標等を受けて、米国株やドル相場が大きく動くようなら、来週の日経平均は大きく上下に動く可能性が出てくる点には注意しておく必要がある。(編集担当:佐藤弘)

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引用元:三國志 専門サイト